仏教を中心とする人文系学術書の出版社です。

仏教一般

サールナート
                         サールナートの部材(5世紀頃)

仏教一般

■ 杉本卓洲 著
 インド・ジャータカ図の研究

インド・ジャータカ図の研究

ブッダやその周囲の人々の前生の物語・ジャータカは、インドの仏教美術において様々に表現された。本書は、それらを数百点の図版と共に集成し、典拠、先行研究、表現の特徴の詳細を明らかにつつ、「菩薩」思想の形成過程に迫る。この分野のベテラン研究者による、インド仏教文化史研究で必携の一冊!
【著者紹介】杉本卓洲:金沢大学名誉教授
A5判上製592頁  定価13, 200円(税込)
ISBN978-4-907022-23-5

【目 次】
はしがき
本論 インド各地に見られるジャータカ図
 Ⅰ. 中インド
 Ⅱ. 東インド
 Ⅲ. 南インド
 Ⅳ. 西インド
 Ⅴ. 西北インド
付論 ジャータカの変遷―「六牙象本生」を例に―
結 語
あとがき
地図 インドのジャータカ図所在地

■ 宮崎展昌 訳
 蔵文和訳 阿闍世王経
 *6月末刊行。

阿闍世王経

「父王殺しの悪人」阿闍世王の苦悩の、空観による救いを説く『阿闍世王経』。釈迦、文殊、阿闍世王を中心とするドラマティックな構成で語られる初期大乗経典を、最新の文献学的成果を踏まえて、サンスクリット原典の面影を伝えるチベット訳から、詳細な註と共に平易に全訳。「大乗経典研究のモデルケース」を提示する。
【訳者紹介】宮崎展昌:鶴見大学仏教文化研究所専任研究員(准教授)
A5判上製388頁  定価8, 910円(税込)
ISBN978-4-907022-27-3

【目 次】
はじめに
解 題
蔵訳『阿闍世王経』訳注研究
あとがき
〈阿闍世王経〉諸本対照表

■ 石飛道子 著
 古代インド論理学の研究 ─ブッダ・龍樹・ニヤーヤ学派─
 *6月末刊行。

古代インド論理学の研究

「実在論的立場」からインド論理学を確立したニヤーヤ学派に対し、「空の論理」によって激しい論争を繰り広げた龍樹は、いかにして、ゴータマ・ブッダの「争いなき立場(無諍処)」を実現したのか? 本書は、永年「ブッダの論理」を探求してきた著者の研究成果を集成し、古代インド論理学について新たな展望を開く、ブッダ、龍樹、インド哲学に関心を持つ読者待望の一冊!
【著者紹介】石飛道子:元札幌大谷大学特任教授
A5判上製464頁  定価10, 560円(税込)
ISBN978-4-907022-28-0

【目 次】
はじめに
従来の研究の展望と本書の方法論
第1章 ゴータマ・ブッダ─「一切」を語ることば─
 「空性」とは何か?
 『スッタニパータ』第5章「彼岸道品」における「アジタ学人の問い」
第2章 ニヤーヤ学派─インド論理学の確立─
 論理学書としての『ニヤーヤ・バーシャ』
 ニヤーヤ学派の知覚論
 ヴァーツヤーヤナの論理的立場
 論証された神
 ウッディヨータカラの命題論理学
 ウッディヨータカラと有神論批判
第3章 龍樹とニヤーヤ学派─『方便心論』の世界─
 龍樹とインド論理学の誕生
 『方便心論』の作者について
 仏教とニヤーヤ学派の論争をめぐって
 インド論理学史における『方便心論』の反論理学
 「六句論議」と「似因」をめぐる問題
第4章 龍樹著作の研究─論法の問題を中心に─
 『大智度論』における四悉檀説
 『百論』と『大智度論』の関係
 『十二門論』における論法の用語をめぐって
 『十二門論』「観性門」の偈と『中論頌』第13章第3偈をめぐって
結論にかえて
あとがき

■ 津田明雅 著
 ナーガールジュナの讃歌 ―諸著作の真偽性とあわせて―

ナーガールジュナの讃歌

空を理論化して、大乗仏教全体の祖となったナーガールジュナ(龍樹)が、広く教えを伝えるために作った様々な讃歌。本書では、彼の主要著作と共に、それらの讃歌に検討を加え、各讃歌の原典と和訳を対照して集成する。仏の〈智慧と慈悲〉を美しい言葉で讃えた彼の讃歌への、わが国で初めての本格的研究書。
【著者紹介】津田明雅:文学博士(京都大学)
A5判上製572頁  定価12, 980円(税込)
ISBN978-4-907022-15-0

【目 次】
第1部 諸著作の解題と真偽性
 1. はじめに
 2. ナーガールジュナについて
 3. ナーガールジュナの諸著作
 4. ナーガールジュナと讃歌
 4.1. 『四讃歌』(Catuḥstava)
 4.2. その他の讃歌
第2部 テキストと和訳
 1.『四讃歌』(Catuḥstava)
  超世間讃/無譬讃/不可思議讃/勝義讃
 2. その他の讃歌
  法界讃/心金剛讃/三身讃/三身讃注釈/有情了悦讃(3種)
  般若波羅蜜多讃(2種)/超讃嘆讃/無上讃(2種)
  聖文殊師利尊勝義讃/聖文殊師利尊慈悲讃
  八大処聖地讃(2種)/十二所作理趣讃/八大霊塔梵讃
  礼拝讃
 テキスト索引(Skt., Tib.)

■ 佐々木一憲 訳
 全訳 シャーンティデーヴァ 学処集成

学処集成

名著『入菩提行論』で知られるシャーンティデーヴァ(7〜8世紀)が、各種の大乗経典からの引用によって、菩薩道の精髄を示したもう一つの主著を、サンスクリット原典から全訳。チベット仏教の「道次第(ラムリム)」にも大きな影響を与えた古典の全貌を、最新の研究成果を踏まえて提示する、待望の一冊!

【訳者紹介】佐々木一憲:立正大学法華経文化研究所特別所員
A5判上製564頁  定価12, 980円(税込)
ISBN978-4-907022-26-6

【目 次】
はじめに
解題
シャーンティデーヴァ 学処集成
 本頌27偈の梵和対訳
 全19章の訳注
あとがき
引用経典一覧

■ 志賀浄邦 著
 シャーンタラクシタ『真実集成』の原典研究 ―業報・論理・時間―

『真実集成』の原典研究

インド大乗仏教の巨匠・シャーンタラクシタ(8世紀)が、仏教内外の哲学的問題を「縁起」の立場から考察した『真実集成(タットヴァサングラハ)』。本書は、詳細な解題と、弟子のカマラシーラの注釈と共に、三章分の和訳と校訂テキストを収録し、インド仏教哲学の神髄に迫る。名前は有名だったものの、一般に手に取る機会に乏しかった古典の、待望の書籍化!
【著者紹介】志賀浄邦:京都産業大学教授
A5判上製580頁/カラー口絵2頁  定価13, 200円(税込)
ISBN978-4-907022-22-8

【目 次】
まえがき
第一部 『真実集成』と『真実集成細注』 ―解題に代えて―
第二部 『真実集成』『真実集成細注』和訳と校訂テキスト
 (一)第9章「行為とその報いの関係の考察」
 (二)第18章「推理の考察」
 (三)第21章「三時の考察」
あとがき

■ 望月海慧 訳
 全訳 アティシャ 菩提道灯論

菩提道灯論

部派仏教の戒律、大乗の智慧と慈悲、密教の速やかに悟りに至る道。本書は、この三つの教えを「一人の人間が順に歩むべき道」として統合し、インド仏教の展開を集大成すると共に、今日に至るチベット仏教「道次第(ラムリム)」の伝統の出発点となった、歴史的名著である。アティシャの本偈と自注に加えて、パンチェン・ラマ1世などのチベットを代表する注釈と科文を付す。
【訳者紹介】望月海慧:身延山大学教授
A5判上製384頁  定価8, 470円(税込)
ISBN978-4-907022-08-2

【目 次】
序論 アティシャと『菩提道灯論』
第一部 アティシャ『菩提道灯論』『菩提道灯論細疏』
 『菩提道灯論』
 『菩提道灯論細疏』
第二部 チベット撰述『菩提道灯論』の注釈と科文
 パンチェン・ラマ1世注
 ロプサン・ペルデン注
 チャンキャ・ルルペー・ドルジェ科文

■ クンチョック・シタル / 奥山裕 訳
 全訳 ツォンカパ 中論註『正理の海』

正理の海

仏教の核心「縁起と空」を明らかにした、ナーガールジュナの『中論』を、チベット仏教ゲルク派の祖が、インド諸註の膨大な蓄積を踏まえて、詳細かつ明快に解明した大著を、わかりやすく全訳。『中論』偈頌は、チベット訳と和訳を対照。巻末には、ツォンカパが求道の転機に、縁起を説いた釈尊を讃えて歌いあげた『縁起讃』を付す。
【訳者紹介】クンチョック・シタル:チベット仏教普及協会副会長 / 奥山裕:同会員
A5判上製912頁  定価17, 600円(税込)
ISBN978-4-907022-06-8

【目 次】(要約)
はじめに(クンチョック・シタル)
科 文
『般若と呼ばれる根本中論頌』の解説 ─正理の海─
 序 論
 書名 / 帰敬序
 全27章の解説
 結 論
縁起讃
あとがき(奥山裕)

■ 現銀谷史明 / ガワン・ウースン・ゴンタ 訳
 全訳 ダライ・ラマ1世 倶舎論註『解脱道解明』

倶舎論註『解脱道解明』

仏教の人間観・世界観を詳細に説き、「仏教の基礎学」として北伝仏教で広く親しまれた『倶舎論』。本書は、ダライ・ラマ1 世ゲンドゥンドゥプ(1391-1474)が、インド・チベットの諸註を踏まえて、その全偈頌を明快に解説した格好の「倶舎論入門」である。序論ではチベットにおける『倶舎論』伝承史も詳説。
【訳者紹介】現銀谷史明:東洋大学東洋学研究所客員研究員 / ガワン・ウースン・ゴンタ:チベット仏教普及協会講師
A5判上製640頁  定価14, 080円(税込)
ISBN978-4-907022-12-9

【目 次】
序 論
倶舎論註『解脱道解明』
 第一章 界 品
 第二章 根 品
 第三章 世間品
 第四章 業 品
 第五章 随眠品
 第六章 賢聖品
 第七章 智 品
 第八章 定 品
 結 語

■ 渡辺章悟・高橋尚夫 編
 般若心経註釈集成〈インド・チベット編〉

般若心経註釈集成〈インド・チベット編〉

大乗仏教が広まった全ての地域で、広く唱えられている『般若心経』。本書は、チベット大蔵経収録のインド・チベット撰述の註釈全8本と、それ以外のチベットを代表する註釈3本を全訳・解説した、わが国で初めての一冊。総論では『般若心経』の成立と註釈への展開を詳説し、インド直系の伝統に基づく『般若心経』解釈の全貌を明らかにする。
【編者紹介】渡辺章悟:東洋大学教授/高橋尚夫:大正大学名誉教授
A5判上製404頁  定価9, 020円(税込)
ISBN978-4-907022-09-9

【目 次】
総論 『般若心経』の成立と註釈への展開(渡辺章悟)
カマラシーラ註(渡辺章悟訳)
ヴィマラミトラ註(大八木隆祥訳)
シュリーシンハ・ヴァイローチャナ註(高橋尚夫訳)
ジュニャーナミトラ註(望月海慧訳)
ブラシャーストラセーナ註(渡辺章悟訳)
アティシャ註(望月海慧訳)
シュリーマハージャナ註(現銀谷史明訳)
ヴァジュラパーニ註(高橋尚夫訳)
ゴク・ロデンシェーラプ註(現銀谷史明訳)
ロントゥン註(現銀谷史明訳)
ターラナータ註(現銀谷史明訳)
あとがき(高橋尚夫)

■ 藤仲孝司・中御門敬教 著
 インド・チベット浄土教の研究 ―大乗菩薩道としての展開―

インド・チベット浄土教の研究

極楽往生を願う浄土教は、インド・チベットでは密教とも結びつきつつ、独自の展開を遂げた。本書は重要文献の和訳と関連資料の精査に基づき、そうした展開に「大乗菩薩道」「極楽浄土の選択」「密教の成就法」「東アジア浄土教との関連」…などの様々な角度から検討を加え、浄土教への新たな視点を提示する。
【著者紹介】藤仲孝司:元佛教大学総合研究所嘱託研究員 / 中御門敬教:知恩院浄土宗学研究所研究員
A5判上製580頁  定価12, 760円(税込)
ISBN978-4-907022-14-3

【目 次】
序論 インドからチベットへ至る阿弥陀仏信仰の形態
第1部 顕教篇
 第1章 チベットにおけるカルマ・チャクメーの浄土教
  第1節 カルマ・チャクメーの極楽願文
     『清浄大楽国土の誓願』の和訳と研究
  第2節 カルマ・チャクメーの阿弥陀仏信仰と選択
  第3節 ギェルケンポによる『清浄大楽国土の誓願』簡略版
 第2章 チベットにおける阿弥陀浄土と阿閦浄土の信仰
  第1節 チョネ・タクパシェードゥプの著作から見る
       インド・チベット浄土教の信仰形態
  第2節 一組の選択肢(往生先)という視座
第2部 密教篇
 第1章 インドにおける浄土教の密教化
  第1節 『阿弥陀鼓音声陀羅尼経』の研究
  第2節 阿弥陀仏に関するジターリの信仰と実践
 第2章 中国におけるインド浄土教の密教化
  はじめに
  第1節 不空訳『無量寿如来観行供養儀軌』の解題と訳註
  第2節 不空訳『金剛頂経観自在王如来修行法』の解題と訳註

■ 中沢 中 訳
  カルマ・チャクメ本偈、ソナム・チュードゥプ註釈
 全訳 極楽誓願註  ─チベット浄土教講義録─

極楽誓願註

カルマ・チャクメ(17世紀)の『極楽誓願』は、宗派を超えて愛唱される、チベット浄土信仰の基本文献である。本書は、その本偈と著者自身の『覚書』に加えて、近世チベット仏教の復興者パトゥル・リンポチェ(19世紀)の講義の面影を伝えるソナム・チュードゥプ(19〜20世紀)の詳細な註釈を全訳。巻末に、大乗の真髄とリメー(超宗派)運動の展開を縦横に論じる訳者の解説を付す。
【訳者紹介】中沢 中:真言宗僧侶
A5判上製360頁  定価7,920円(税込)
ISBN978-4-907022-05-1

【目 次】
はじめに
極楽誓願 カルマ・チャクメ
極楽誓願覚書 カルマ・チャクメ
科 段
 ソナム・チュードゥプ著『極楽誓願註』科段
 パトゥル・リンポチェ著『チャクメ極楽誓願』科段
極楽誓願註 ソナム・チュードゥプ
解 説
 浄土と縁起・仮設・仏性─アーガマ・中観から浄土教へ─
 誓願・廻向と自力・他力
 チベット浄土教理解の日本的偏向
 カルマ・チャクメと天法ミンギュル・ドルジェ
 パトゥル・リンポチェとリメー
 ソナム・チュードゥプ

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